第60話「歌謡大賞の舞台裏」
[box03 title=”第60話「歌謡大賞の舞台裏」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]
「ジャニーズジュニア様」と書かれた控え室に着いた。
すると中から聞き慣れた声が聞こえて来た。
ジャニーさんだ。
「おはようございます!」
と、みんなで挨拶する。
「ユーたちもすぐに衣装に着替えちゃって!」
と、慌ただしく衣装を渡され、言わた通りすぐに着替えた。
今回もジュニアの衣装はカラフルな短パンにタンクトップだった。
「ユー達みんな揃ったら、すぐにリハーサル始められるようにしておいてね!」
と、ジャニーさんは捲し立てた。
無理もない。
この日だけで、ジャニーズからは田原俊彦、近藤真彦、シブがき隊、の3組とジャニーズジュニアが出演するのだ。
そのすべてのチェックをジャニーさんはするのだ。
着替えて間もなく、テレビ中継が始まる前のリハーサルが行われる。
しかしバンドの音響チェック、司会者のリハーサル、そして一人ひとりの歌手のリハーサルとやる事がたくさんある。
その流れで、カメラワーク、モニターの切り替え、音響、照明のセッティングをしてしまうのだ。
イントロが流れて、歌いだしを歌ったら、強引にリハーサルを終了させられる歌手もいる。
何処かで、押した分は、どこかで誰かのパートで取り返さなきゃならない。
テレビ中継の時間は決まっているので絶対に押せないのだ。
ステージで音響、照明、歌手、アナウンサー、などがリハーサルしている最中だった。
ボビーさんの指示で空いてる時間に簡単な「場当たり」をする事になった。
「場当たり」とはステージ上で立つ位置を決めたり、フォーメーションを決めていくことである。
ステージの上に立ち、横の相手との距離、ステージの正面との距離、ステージ上の板の感触、色々な事を確かめる作業だ。
本来なら、カウントで位置や振りを合わせながら、踊り、次に曲をかけて踊るのが普通だが、この日はそんな時間は無い。
簡単な位置合わせをを済ませると、今度はスクールメイツと合流して場当たりが始まる。
指示するのがボビーさんから西条先生に変わりスクールメイツ共々ステージ上で右往左往する。
一通り終わり、ステージを降りる頃には、「客入れ」「本番開始」のカウントダウンが始まっていた。
「客入れ」(開場)が始まり場内は一気に雑音や喚声に包まれた。
その裏側ではテレビ局の人間や各歌手のマネージャーとおぼしき人達が走り回っている。
当たり前の話だが控え室に入った後はウロウロ出来ない。
他の歌手やタレントさんと話す事はまずない。
大概はジュニア同士で話すか振り付けの練習をするかだ。
「間もなくすると本番いきます!」
と、声がスピーカーから流れると館内が暗くなった。
一瞬、ほんの刹那緊張感と共に静まり返った。
「第12回輝く! 日本歌謡大賞!」
と、司会者の高島忠夫さんと星野知子さんの声と共にバンドの大音響で幕をあけた。
ついに番組が始まったのだ。
始まると直ぐに新人賞ノミネートの発表がある。
何人かの歌手が歌っている。
その合間にジャニーズジュニアとスクールメイツは控え室からゆっくりステージ間際まで行きスタンバイをする。
そして「シブがき隊」が紹介された。
彼らと共にステージに上がり、踊り慣れた曲を踊る。
照明、音響、歓声、緊張感が相まって、何が何だかわからないうちに踊り終わってしまった。
また控え室に戻る。
控え室で似たような色違いの短パンとTシャツに着替えてスタンバイをする。
今度は放送音楽賞で歌うマッチのバックで踊るのだ。
多忙であるがゆえマッチ本人に逢うのは本番のステージ上が初めてだった。
スクールメイツと共にステージの横にスタンバイをする。
練習した聞き慣れた前奏が始まるとスクールメイツが勢い良くステージに向かい踊りながら出て行った。
あたりを見ると殆どのジュニアが「ワン、ツー、スリー、フォー」とカウントを数えている。
そしていよいよ出るタイミングがきた。
連なってステップを踏みながらステージに向かい飛び出した。
照明の逆光が眩しい。
今度はさっきよりは落ち着いている。
大歓声を浴びながら日本武道館のステージの上で、マッチのバックで踊っているのだ!
最高の気分だ!
このまま、時間よとまれ!
そう、思えるほどこの上なく楽しい時間だった。
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